「ものづくり補助金」の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

以下は7月28日に更新された「令和5年度募集 16次締切分」(申請期間:2023年8月18日(金)~11月7日(火))の公募要領の概要です。

目次
1.15次締切分との主な変更点
2.事業の目的
3.申請要件
4.保険診療報酬を受け取る事業の取扱い
5.事業の内容 
6.主な加点項目
7.減点項目
8.今回の公募スケジュール
9.再応募・再審査
10.今後の公募スケジュール
11.申請方法
12.取組要件の実効性の担保
13.補助事業完了後5年間の報告義務
14.個人事業主が医療法人になった場合の取扱い
15.その他

ものづくり補助金 取得支援 特設ページ

1.15次締切分との主な変更点

13次締切分にて大きな変更がありましたが、15次締切分からの大きな変更はありません。

2.事業の目的

※15次締切分からの変更はありません。

中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援することを目的とする。

3.申請要件

※15次締切分からの変更はありません。

下表は通常枠・デジタル枠・グリーン枠のみ取りまとめたものです。他の枠は公募要領をご参照ください。

企業要件

日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者等(個人事業事業主を含む)

※応募締切日前10ヶ月以内に同一事業(令和元年度補正・令和2年度補正・令和3年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)の交付決定を受けた事業者及び応募締切日時点で同一事業の補助事業実績報告書を未提出の事業者を除く。

※過去3年間に、2回以上ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業の交付決定を受けた事業者を除く。

取組要件

<通常枠>以下の1)~3)をすべて満たす必要がある。
<デジタル枠>以下の1)~3)と4)をすべて満たす必要がある。
<グリーン枠>以下の1)~3)と5)をすべて満たす必要がある。

1)<基本要件>以下の3つの要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定していること。
①事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
②事業計画期間において、事業場内最低賃金を毎年地域別最低賃金+30円以上の水準にする。
③事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

2)補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有していること。

3)交付決定日から10ヶ月以内(ただし、採択発表日から12ヶ月後の日まで)に、発注・納入・検収・支払等のすべての事業の手続きが完了すること。

4)デジタル枠については、上記1)~3)に加えて、以下の①~③のすべての要件に合致するものであること。
①次のア又はイに該当する事業であること。
ア DXに資する革新的な製品・サービスの開発
(例:AI・IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発(部品、ソフトウェア開発を含む)等)
イ デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(例:AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等)
※ 単にデジタル製品の導入やアナログ・物理データの電子化にとどまり、既存の業務フローそのものの見直しを伴わないもの、及び導入先企業において前述の単なる電子化にとどまる製品・サービスの開発は該当しません。
(例:帳票の電子保存システム・デジタルスキャナ・電子契約書サービス・医療用画像診断機器の導入等、電子書籍・写真等のアルバム・動画編集サービスの開発等)

②経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
③独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかを宣言していること。

5)グリーン枠については、上記1)~3)に加えて、以下の①~⑤のすべての要件に合致するものであること。
①次のア又はイに該当する事業であること。
ア 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
(例:省エネ・環境性能に優れた製品・サービスの開発、非石油由来の部素材を用いた製品・サービスの開発、廃棄物削減に資する製品・サービスの開発 等)
イ 炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善
(例:生産工程の労働生産性向上を伴いつつ脱炭素化に資する設備投資、水素・アンモニアを活用する設備導入による燃焼工程と生産プロセスの最適化、複数ラインの作業工程を集約・高効率化 等)
※イについて、直接、設備投資に関係のない炭素生産性向上を伴う取組は、該当しません。(例:社内全体での節電対策、設備投資による間接的な炭素排出量の削減等)
②3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること。
③エントリー類型について、以下のいずれかを満たすこと。
ア エネルギーの種類別に使用量を毎月整理している。また、補助対象の事業者あるいは事業所のCO2の年間排出量を把握している。
イ 事業所の電気、燃料の使用量を用途別に把握している。
④スタンダード類型について、上記③を全て満たし、以下のいずれかを満たすこと。
ウ 本事業で開発に取り組む製品・サービスが、自社のみならず、業界・産業全体での温室効果ガス削減に貢献するものである。
エ 電気事業者との契約で、一部でも再生可能エネルギーに係る電気メニューを選択している。
オ 自社で太陽光やバイオマスなど再生可能エネルギーでの発電を導入している。
カ グリーン電力証書を購入している。
キ 省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度(J-クレジット制度)があるがこの制度に参加し、自社での温室効果ガス排出量の削減取組についてクレジット認証を受けている。
⑤アドバンス類型について、上記③を全て満たし、上記④ウ~キのうち2つ以上を満たし、以下のいずれかを満たすこと。
ク 通常版若しくは中小企業版SBT(Science Based Targets)の認証又は通常版若しくは中小企業版RE100に参加している。
ケ エネルギーの使用の合理化等に関する法律(通称:省エネ法)における事業者クラス分け評価制度において、令和4年度定期報告書分評価が『Sクラス』評価であること(原則、公募締切時点で資源エネルギー庁ホームページにて、『Sクラス』として公表されていることが確認できること)
コ 2020年度以降に以下のいずれかの事業における省エネルギー診断を受診している、または、地方公共団体で実施する省エネルギー診断を受診している。
○一般財団法人省エネルギーセンター実施の「無料省エネ診断等事業及び診断結果等情報提供事業」又は「エネルギー利用最適化診断事業及び情報提供事業」
○一般社団法人環境共創イニシアチブ実施の「省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業」、「地域プラットフォーム構築事業」又は「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」

 

4.保険診療報酬を受け取る事業の取扱い

13次締切分から、保険診療報酬を受け取る事業はものづくり補助金の対象外となりました。この背景として、保険診療報酬は国費、ものづくり補助金も国費であり、国費の二重取りはよろしくないという国の判断があると言われています。

そのため、歯科医院様が申請される場合には、自由診療をテーマにした申請書(事業計画書)を作成し、補助金受取後(機器の耐用年数期間内)の機器の使用が自由診療に限定されることになりました。

機器導入後の使用条件をまとめると以下のとおりとなります。

導入する機器名 機器導入後の使用条件(耐用年数期間内)
歯科用CAD/CAMシステム 自由診療のみで使用する。CAD/CAM冠・インレーは作製しないか、作製しても保険請求しない。
歯科用CT 複合機(3D・2D) <3D機能>自由診療のみで使用する。保険診療で使用しても、保険請求しない。
<2D機能>使用しない。
現有の2D機の3Dへの機能拡張 自由診療のみで使用する。保険診療で使用しても、保険請求しない。
3D単体機 自由診療のみで使用する。保険診療で使用しても、保険請求しない。
セファロ機能のみ 自由診療のみで使用する。保険診療で使用しても、保険請求しない。
その他の機器 自由診療のみで使用する。保険診療で使用しても、保険請求しない。

 

5.事業の内容

※15次締切分からの変更はありません。

下表は通常枠・デジタル枠・グリーン枠のみ取りまとめたものです。他の枠は公募要領をご参照ください。

補助上限額

■補助上限額
<通常枠><デジタル枠>
従業員数21人以上:1,250万円
6~20人:1,000万円
5人以下:750万円

<グリーン枠>
~エントリー類型~
従業員数21人以上:1,250万円
6~20人:1,000万円
5人以下:750万円

~スタンダード類型~
従業員数21人以上:2,000万円
6~20人:1,500万円
5人以下:1,000万円

~アドバンス類型~
従業員数21人以上:2,000万円~4,000万円
6~20人:1,500万円~3,000万円
5人以下:1,000万円~2,000万円

■大幅賃上げに係る補助上限額引上
従業員数21人以上:各申請枠の上限から最大1,000万円引上
6~20人:各申請枠の上限から最大250万円引上
5人以下:各申請枠の上限から最大100万円引上

補助率

<通常枠>
1/2以内(従業員数6名以上)
2/3以内(従業員数5名以下)

<デジタル枠><グリーン枠>
一律2/3以内

対象経費

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用料、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

設備投資 必須(単価50万円(税抜)以上)

 

6.主な加点項目

※15次締切分からの変更はありません。

成長性加点 有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
政策加点

・創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)

・デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ、以下のA~D)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
a.デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識、その内容について公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
b.上記a.を踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルを策定・公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690行目/Ver.2.3以降の場合はシート「ITシステム構築の取組状況(定量指標)」の11~13行目)を全て記載

災害等加点

有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者

賃上げ等加点

①事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額と事業場内最低賃金をそれぞれ以下(ア)もしくは(イ)の通りとする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者

(ア)
給与支給総額:年率平均2%以上増加あるいは年率平均3%以上増加
事業場内最低賃金:毎年3月、地域別最低賃金より+60円以上の水準あるいは毎年3月、地域別最低賃金より+90円以上の水準

(イ)
給与支給総額:年率平均6%以上増加
事業場内最低賃金:毎年3月、地域別最低賃金より+30円以上の水準かつ毎年+45円以上ずつ増加(初回は応募時を起点とする)

②被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合

 

7.減点項目

※15次締切分からの変更はありません。

応募締切日から過去3年間に、ものづくり補助金の交付決定を1回受けている場合
(過去3年間に、既に2回以上交付決定を受けた事業者は申請対象外となります。)

8.今回の公募スケジュール

公募開始 令和5年7月28日(金)17時
申請受付 令和5年8月18日(金)17時
応募締切 令和5年11月7日(火)17時
採択発表 令和6年1月中旬頃(予定)

 

9.再応募・再審査

※15次締切分からの変更はありません。

1~15次締切で不採択だった方は、16次締切に再度ご応募いただくことが可能です。

10.今後の公募スケジュール

令和6年度(令和7年3月)まで概ね3ヶ月1回のペースで切れ目なく公募される予定です。

11.申請方法

※15次締切分からの変更はありません。

電子申請システムでのみ受け付けることとなり、GビズIDプライムアカウントの取得が必要となります。なお、アカウントの取得には2週間程度を要することとなります。

12.取組要件の実効性の担保

※15次締切分からの変更はありません。

1)申請時点において、申請要件を満たす賃金引上げ計画を策定していることが必要だが、交付後に策定していないことが発覚した場合には、補助金返還が求められます。

2)事業計画終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合に、導入した設備等の簿価または時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還が求められます。
 ただし、付加価値額が目標通りに伸びなかった場合に給与支給総額の目標達成を求めることは困難なことから、給与支給総額の年率増加率平均が「付加価値額の年率増加率平均/2」を越えている場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還は求められません。
 また、給与支給総額を用いることが適切ではないと解される特別な事情がある場合には、給与支給総額増加率に代えて、一人当たり賃金の増加率を用いることを認められます。

3)事業計画期間中の毎年3月末時点において、事業場内最低賃金の増加目標が達成できていない場合は、補助金額を事業計画年数で除した額の返還が求められます。
 ただし、付加価値額増加率が年率平均1.5%に達しない場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還を求められません。

13.補助事業完了後5年間の報告義務

※15次締切分からの変更はありません。

1)補助事業の完了した日の属する会計年度の終了後5年間、毎会計年度終了後60日以内に本補助事業に係る事業化等の状況を事業化状況(収益状況含む)・知的財産権等報告書により報告する必要があります。

2)事業化状況の報告から、本補助事業の成果の事業化又は知的財産権の譲渡又は実施権設定及びその他当該事業の実施結果の他への供与により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければなりません。ただし、以下の場合には、収益納付が免除されます。
<収益納付が免除される場合>
①事業化状況等報告の該当年度の決算が赤字の場合
②以下のような十分な賃上げによって公益に相当程度貢献した場合
・年率平均3%以上給与支給総額を増加させた場合
・最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にした場合等

14.個人事業主が医療法人になった場合の取扱い

※15次締切分からの変更はありません。

補助金の受取後、機器の耐用年数期間内に医療法人化すると、財産処分の扱いとなり、補助金額の一部を返還することになります。

15.その他

・実施主体は中小企業庁です。
・毎回の採択率は50~60%程度です。
・平成30年度補正予算までの公募回数は年1~2回でした。

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